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家庭医・プライマリケア医のためのアメリカ・米国臨床留学への道
それは一つのとても大きな挑戦です

May 19, 2003

午前中; 9時からFamily PracticeのinpatientのAttending roundをした。
病棟を回るのではなくて、会議室(Resident Lounge)でResidentが自分の患者さん
についてAttendingにH&Pを発表し、治療方針を討論する。11時半頃まであった。

Attendingはその後、Residentの一人を連れて、すべての入院患者さんを見に病棟を回った。
私はAttendingについてゆき、患者さんを見たり、カルテを読んだりしていた。
その後、お昼をその場にいるResidentやAttendingと一緒にCafeteriaで食べた。
午後; Attendingとは別れ、Clinicに行き、1人目の患者さんは3年目のResidentのH&Pを見学し、2人目からは、こちらの学生のように自分でH&Pをとり、カルテを書き、Residentにプレゼンした。
でも私はカルテの書き方がまだおぼつかず、3時間で3人しかみることができなかった。
自分の患者さんの間にResidentの患者さんも見学していたので遅くなったと言いたい・・・

本来ならClinicにいるAttendingにその場でプレゼンするのだが、初日と言うこともあり、Residentにプレゼンするに終わった。次回はAttendingに発表したい。
今日、患者さんの1人が”手のむくみ”を訴えてきた。
接触皮膚炎など、アレルギー、甲状腺や心臓、腎臓の疾患など鑑別診断をあげ
ひとつひとつ検討した。結局、Attendingも何かわからなかったので、血液検査をすることになった。
Clinicは5時で終わるので、そのまま宿に帰った。

May 20, 2003
午前;昨日と同様。
ただ、Round中に患者さんの一人が産気づき、みなで分娩に立ち会った。あっという間であった。その後、Senior Residentにつき、分娩にscrubして立会い、へその緒を切ったりした。
無痛分娩ということもあり、日本とは違い、妊婦さんの叫び声が無く、冗談を交えての分娩であった。
午後on call residentと行動し、Clinicに行き、admitする患者さんのFull history and physical examsをとり、それについてResidentと話し合った。
患者さんは喘息発作を起こした人であったが、ステロイド経口投与で効果がなかった人であったので、IVステロイドのため入院となった。

May 21 2003
午前中;やる気を出し、Attending Roundの前に一人のResidentと一緒にそのResident担当のimpatientをRoundした。7時に待ち合わせをしたが、すでに彼女はMemorialでのroundは終わらせていて、一緒にSt. Johnsに行きそこのimpatientのroundをした。早起きである。
でも、2つの病院をまたがなくてはいけなくて、とっても面倒。
その後9時から帝王切開の患者さんがいたので、Attending Roundが通常より遅く、10時半からあり、お昼過ぎまでかかった。帝王切開を見学したが、これに関しては日本と変わらなかった。
午後ClinicでResident Conferenceがあり、お昼が供給されるので行った。カンファはresidentの教育のためにあり、lectureが2〜3時間であった。一つのlectureでは肩のPEの仕方を学び、お互いに試しあった。3時ごろ終わり、Clinicがあったが、Residentに今日はもう帰っていいよ、と言われたので、この日はもう帰った。
でも宿に戻ってもやることがなかったので、宿周辺をうろうろしたり、本屋に行ったりしていた。

May 22 2003
午前;9時からのAttending Round。11時ごろ終わったので、Attendingについて病棟を回った。
患者さんを一緒に見たが、教授回診のようにこれはつまらなかった。でも、Attendingと自分の1対1なので質問をすれば丁寧に教えてくださり、自分のやる気次第で面白くもつまらなくもなる。
お昼はAttendingと一緒にPhysician’s Loungeで食べた。この部屋にはサンドイッチやスープなど、ちょっとしたランチがただで置いてあるので、これを思う存分食べ、満腹のところ、再び病棟の患者さんを見に行った。
午後;Memorialの患者さんをすべて見終わり、AttendingがSt. John’sに移動するというので、私はMemorialに残り、on call residentと一緒にFamily Practiceにadmitされた患者さんを見に行った。この時点ですでに3人のAdmitがあり、私はそのうちの1人のH&Pをとり、Admission Noteを書いた。この患者さんは“めまいと頭痛”を訴えてきたが、BPPVっぽかったが、念のため、脳のCTをとるべく、入院となった。
残りの2人は1人がPsycoで、1人がMIで緊急カテをしていたので、H&Pはできず、残念。
8時半ころまでMemorialですごし、患者さんが途切れたので、切の良いところで帰った。

May 23 2003
午前;Attending Round。今日から違うAttendingに変わったので、Roundは時間がかかり、12時ごろまであった。Attending Roundのあとも、Attendingと一緒に病棟を回った。
月曜からいる私の方が患者さんのことに詳しいので、Attendingに患者さんの説明をしたり、討論したりと、充実していた。
午後も引き続きAttendingと一緒に病棟を回っていた。今日は分娩が2人おり、そのうち1人に再びScrubして立会い、新生児を受け止めたり、鼻や口から羊水を吸引したり、胎盤を出すなど、色々させてもらった。日本では分娩は立ち会うだけで、特に何もしたことがなかったので、とてもよい経験になった。

May 27 2003
午前;Attending Round.
午後;Senior Residentにつき、Community Hospital(貧しい人のための無料の病院)に行った。この日は、Prenatal Clinicであり、妊婦のみしかいなかった。
初診の妊婦に聞くべきこと、説明するべきことが決まっており、それをすべてきちんとすると、1人につき大体30分くらいかかる。
再診の妊婦に関しては特に問題のない限り、子宮底の距離を測ったり、胎児の心音をドップラーで聞いたり、簡単な質問を幾つかするのみで、10分程度で終ってしまう。
私は何人か再診の妊婦を診察し、カルテを書いて、Attendingにプレゼンした。大抵特に問題は無い。Community Hospitalというせいもあるが、妊婦が皆若くて、(大抵私より若い!!日本だと、大抵年上なのに!!)とてもびっくり。この日は15歳が最年少だった。また、アメリカは双子が多い。これが終ると、宿に戻った。

May 28 2003
午前;昨日同様。
午後;水曜恒例のResident Conferenceがあり、本日はSenior Residentの研究発表であった。

May 29 2003
午前;昨日同様
午後;Clinicに行き、つくResidentに挨拶をして、自分で患者さんのH&Pを取りに行った。
今日のResidentはいろいろ勝手にやらせてくださり、たくさんの患者さんを診察することができた。
このResidentの患者さんはほぼすべて、私が先にH&Pをとった。一人は“先週までMarijana中毒だった”というa-fibのある患者さんで、Complianceが悪く、Marijanaを買うお金はあるが、βBlockerを買うお金はないため、a-fibは放っておいている、というなんともアメリカならではの患者さんだった。6時頃終わり、宿に帰った。

May 30 2003
午前;昨日同様。Attendingが変わったので、時間がかかった。
午後;Clinicに行き、昨日同様、患者さんからH&Pをとった。この日はついたResidentの患者さんがとことんキャンセルしたので、3時にはすでに患者さんがもういなかった。
最終日であったので、この後、色々な先生に評価表を書いていただいたり、一緒に写真をとったりしていた。Pagerを返しに行き、2週間の実習は終った。

感想
非常に良い経験となった二週間だった。この実習の前にCAのLoma Linda UniversityやUCLAの病院も実習に行ったが、その時とはまた違う雰囲気の実習であった。LLUやUCLAはAttendingの“Teacher”とい役割が強く、一人の患者さんについて、比較的長い時間Pathophysiologyから治療方針までBasicなことからClinicalなことまで解説してくださったが、SIUでは、一人の患者さんにかける時間は少なく、Clinicalな話し合いにのみとどまった。だがその分、経験値をあげ、体で覚えるということをさせてくれた。何でも自分でやらせてくれるのは、自分に責任も生じてくるので、気合が入り、楽しかった。