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家庭医・プライマリケア医のためのアメリカ・米国臨床留学への道
それは一つのとても大きな挑戦です

今回SIUでの見学を4月4日から8日の五日間させてもらった。4年生であること、そして臨床の知識があまりないことを伊藤先生にメールしたところ、「4年生でも学べることはたくさんあると思う」と言って頂き、今回見学させてもらえることになった。Springfieldは小さな町でアジア人が少ない町であった。到着した日は晴天で、とても気持ちがよかった。ちなみにどなたかの感想で、「ホテルでは近くの列車がうるさかった」と書いてあったが、それは本当だった。

4月4日

午前中はFamily Practice(以下FP)でDr. Itoとご一緒させてもらえた。患者さんは皮膚炎、かぜ、頭痛、健康診断などであった。印象的だったのは、先生がEBMにもとづいた最新の情報を知っていて、それを患者さんに伝えていたところだ。「この薬は実験的に実証されていて、いつから使われている」など診察を通じて“Education”をしていると感じた。 又、風邪の患者さんが来た時、すぐに抗生物質を投与するのではなく、rapid streptococcus testを行い、実際に抗生物質を必要している場合のみに処方する。先生は日本がどれたけ無駄な検査をしているか、又どれほど抗生物質の乱用が行なわれているかについて熱心に語ってくれた。確かにこのテストは5分ほどで結果が出て簡単にできる。もっと日本でも広く使われればいいのにと思った。

4月5日

午前中はFPDr. Rajuとご一緒させてもらった。印象的だったのは、妊婦の定期健診で二人も来ていたことだ。出産の際も担当の医師が立ち会うというのがとても新鮮であったが、これがFamily practiceの魅力でもあると本当に思った。午後はACC(Acute Care Center)Dr. Thompsonと一緒に回らせてもらえた。患者さんの人数も多く、一人一人にかけられる時間が少なかった。驚いたのは、ある患者さんはできものが化膿して10cmほどに腫れあがりACCにやってきた。救急に送るのかと思ったが、attendingと共にDr. Thompsonhは切れ込みを入れて膿をだしていた。FPのドクター達は何でもできると本当に思った。 この夜は、日本の大学から新しいプログラムでSIUにきていた11人の学生とSIUの教授群、Dr. Itoとディナーに行った。皆さんフレンドリーでとても楽しい時間だった。

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朝7:30からのSIU conferenceに参加した。そこで聞いた話だが、どうやら外で開業している家庭医が患者さんのことについて不安を感じた時(例えば突然の心肺停止など)、SIUに緊急に連絡を取り、アドバイス、又は実際に来てもらえることになったらしい。開業医にとってはとても安心なシステムだと思う。これは最近全米的に行なわれ始めたものだそうだ。

その後、Dr. Itoと一緒にFPをまわらせてもらった。4回生になったばかりで、問診の取り方も知らないにもかかわらず、Dr. Itoに「やってみる?」と言ってもらえて問診のチャンスを得た。コレステロール値が高くチェックしにきた患者だったが、しどろもどろながらも問診を取らせてもらった。その後のDr. Itoからのアドバイス、又問診の仕方を見て勉強になった。早いうちにこのような体験ができてとてもよかったと思う。

午後からは週一回のFPでのconferencefree lunchを食べながら参加した。その後はDr. Ventressの後を付かせてもらった。とても活発な女性で、患者さんとのコミュニケーションがうまかった。患者さんとの間によい信頼関係を気づいているのが伝わってきた。午後の診療でも思ったが、今回SIUにきて意外と多かったのが、ADHDの患者だった。

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Dr. Markelyにつく。とてもoutgoingで陽気なドクターだ。喫煙歴のある患者に、なぜ肺炎を起こした後咳が長く続くのかについて説明をしていた。喫煙によってどのように咳を長引かせるかとても分かりやすく患者に説明していたのが印象的であった。夕方はSpringfield唯一のshopping mallに行ってきた。平日だからかあまり人がいなかった。そこで食べたPhilly Cheese Steakは美味しかった。

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Dr. Robbinsについて回った。彼は誰に対しても優しく丁寧なドクターだった。私の最終日ということで、「取れる問診は取っておいで」と言ってもらい、3人ほど問診を取らせてもらえた。少し慣れてきたが、まだまだ学ぶことは山ほどある。

今回5日間という短い見学を終えて、Family Practiceがやはり日本のシステムとは全く違うと感じた。しかし各ドクターが診察に来ている赤ちゃん達を「自分でdeliveryした」と嬉しそうに言っているのを聞いていると、とても魅力的な分野だと感じる。日本で漠然とFamily Practiceはどんなものなのか疑問に思っていたが、今回SIU見学を通して、Family Practiceが実際にどのように行なわれているか自分の目で見ることができ、その魅力を確認することができた。アメリカの医学歴の中でも一番新しいFamily Practiceだが、これが日本にも浸透したらいいと本当に思う。今回このような機会を下さったDr. Ito, そしてSIU Center for FPの皆様, 本当にありがとうございました。