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家庭医・プライマリケア医のためのアメリカ・米国臨床留学への道
それは一つのとても大きな挑戦です

 私は、2005325日から5日間の日程で、伊藤先生の元でお世話になりました。実習を申し込んだときから、なんとかしてこの実習を意義のあるものにしたいと強く思い、とても楽しみにしていました。実際に実習を終えて、本当に行ってよかったと、心から思っています。このプログラムを組んでくださり、5日間ずっとお世話してくださった伊藤先生には、本当に感謝しきれないほどです。また、現地でお世話になった他の先生方や、SIUで実習していた他の医学生の皆さんにも本当にお世話になり、また楽しい時を過ごさせて頂きました。本当に、ありがとうございました。

以下に、今回の実習を報告します。Springfieldのことなどは先に実習された方のレポートにも詳細に記載されていますので、私が体験し、感じたことのみを述べさせて頂きます。これから実習される方にとって少しでもお役に立てれば幸いです。

1)実習に参加する前に 2005.2.

  知り合いから伊藤先生のHPを教えて頂いた。拝見させていただいて、すぐにでも参加したいと思ったが、まだ4年生で臨床をほとんど見たこともなく、身体所見のとりかたもままならない状態ではもったいないかもしれないと思った。しかし、このプログラムは2005年の6月で終了してしまう予定だとのことだったので、2005年の3月の春休みを利用して参加させて頂くことにした。
 海外在住経験はないが、小さいころから漠然と海外で働くことを考えていた。医学部に進学し、医師としてアメリカで働くことをより具体的に考える様になった。海外で医師として働くことは、果たして自分に可能なのだろうかという不安がある。しかし、さまざまなセミナーや勉強会に参加して見聞を広げる中で、やはり苦労してでもアメリカで学ぶことに意義はあると感じている。しかし、そのためには充分な準備が必要であると感じている。今回の実習が、将来につながる貴重な体験となることを期待してる。
 英語は日常会話程度ならば問題はないと思うが、専門用語の飛び交う中で果たしてどれだけついていけるのかという不安がある。また、大学での臨床実習もまだ始まっていないので、やれることは限られてしまうかもしれない。しかし、貴重な5日間を少しでも有意義に過ごせるように、積極的に取り組むつもりだ。帰ってきたときに、行ってよかったと感じられるように精一杯頑張りたいと思う。

2) Springfield入り 2005.3.25.

 私はいつも時差ぼけがひどいので、月曜から5日間の実習の予定だったが、3日前の金曜に日本を出発した。Springfieldでの宿泊代が増えるが、眠くてまともに実習ができないのは困ると思ったからだ。
 3/25に成田を出発した。出発が少し遅れたので乗り継ぎが間に合うか心配したが、無事に間に合った。Springfield空港からタクシーで7$弱でBest Innについた。BestInnに着いたときにはだいぶ遅い時間になっていた。
  Best Inn では、SIUに実習に来ていた他の医科大学の学生さんたちが、私を出迎えてくれた。彼らの体験などを聞いたりして、これからの5日間にだいぶイメージが沸いた。とても緊張していた私にとっては、とてもありがたいことだった。また、彼らとは、時には一緒に実習をすることもあり、滞在していた5日間ずっとお世話になった。とても感謝している。
 部屋に戻ってインターネットをつないだ(念のため、ご存知のない方は、ご自分の使われているプロバイダーに海外ローミングというサービスがあるかどうかを調べてみると良いと思います。)。
 翌日、伊藤先生に電話をして、無事に着いたことを連絡した。月曜の朝8:00にClinicに来るようにとのことだった。
 Best Innに泊まっていたほかの医学生と一緒に、Springfieldの観光に行った。といっても、それほど大きな町ではない。リンカーンの住んでいた家などを見た。また、SIUの中を見に行って、カフェテリアの場所などを確認したりした(滞在中はSIUのカフェテリアが主な食事場所となると思います)。
 また、telephone cardを買った(10$くらいで近くのdrug storeに売っています。日本に電話をするときには安く済むので便利です。)

3)実習開始

Mar. 28, 2005

今日からいよいよ実習が始まる。8:00にclinicに集まるように言われていたので、6:30におきてシャワーを浴び、モーテルの朝食(シリアル)を食べてclinicに向かった。
午前中は、伊藤先生と一緒に伊藤先生の診察を見学させていただいた。
CLINICで最初の患者さんはこんな感じでした。(以下、実習中のメモより。実習の雰囲気をイメージしてもらうために、英語のまま記載します。個人の特定を防ぐため、内容を一部変えてあります。)

 This patient is ** yo male with the history of HTN and schizophrenia. He went to the ER ***(date) because of the abdominal pain, and when he stood up at ER, he collapsed because of the dizziness. But he didn't pass out.  He felt dizziness sometimes before he came to the ER. His BP was around 80 as systolic BP, so he took the IV fluid and his BP was elevated as 100 as systolic BP. The ER doctor told him the abdominal pain was gastroenteritis and shot him *****(drug's name). Since then, He has had no abdominal pain. Dr. Ito told him to pay attention to his BP and  to come to see  him when it decreases to very low, also to take enough time about 30sec to 1min before he wake up/ stand up in order to prevent postural syncope.

 Last test of cholesterol was done in May 2004, so Dr. Ito ordered Cholesterol check. He has tried to lose his weight for one year, so if the result of cholesterol test was high, he needs to start to take statin. He has schyzophrenia, but he seemed well controled. Dr. Ito also told him to take Tetanus shot.

この日は続けて、職場から依頼された定期健康診断に来た女性手根管症候群の女性、足首をひねった女性などの診察を見せて頂いた。手根管症候群の患者さんの時には、とっさに検査方法などが出てこなかった。足首をひねった女性には、少し質問をさせていただいたりした。
 先生も最初に来たときは、やはりアメリカで教育を受けた学生との間に差を感じた(とくにcommunication ability knowledge)とおっしゃっていた。でも1年で追いついたという。ちなみに、Family practice の外来教育は、resident 1年目は 患者一人当たり1時間くらいかけて、そのあとでAttendingが見る。A,3年目のresidentは、一人で患者をみて、そのあとでattendingに報告する形をとっている。
 Family medicineがお産のケアもしていることについて、はじめは、お産は産婦人科医のほうが専門だから安心なのでは?と思っていた。しかし、実際Family Medicineで、患者一人一人に充分な時間をとって話をしたり、産科以外のtotalのケアができることを考えると、機械的かもしれない産科での診察より、こちらの方が、患者さんの満足度も高いのかもしれないなと感じた。実際、患者の満足度の点では、お産に関してはmidwifeが一番で、次がfamily practitioner で、3番目が産婦人科医なのだと先生はおっしゃっていた。
 また、SIUのFamily Medicineは全米のFamily Medicineの中でもtop15に入る評判のプログラムなのだそうだ。medicareの保険の人たちは、residentのいる病院でないと診てもらえないらしいので、residentのいる病院には、medicareの人たちの割合が、開業医の病院より必然的に高くなるが’(普通はresidentのいる病院ではmedicareの人たちの割合は患者の90−80%くらいらしい)、それでもSIUのFamily practiceでは、中流階級以上の人たちもSIUを自ら選んで来てくれるので(つまり、それだけ質の高い医療をしているということらしい)、medicareの人たちの割合が他の病院より少ないらしい。
 アメリカでFamily Practiceを3年経験したら、開業できてしまうくらいの力がつくらしい。一般に、アメリカでの3年は日本での10年の経験に値するらしい。アメリカは働く時間がきちっとしていて、夕方には終わるし、QOLが日本よりずっと高いと思う。日本でのほうが働いている時間は長いのに、どうしてこんんなに差が生じるのだろうか。やはり、教育のシステムとか、教育に対する考え方がまったく違うのだろう。それから、アメリカでは医師がすべき雑用も少ないのかもしれない。たとえば、一人一人の患者さんのcase reportも、ボイスレコーダーに録音しておけば、dictation 専門に雇われたスタッフが、全てdictateしてくれるらしい。アメリカではdictationは医療に限らずいろいろなところで普通に行われているらしい。日本では、漢字の変換が難しいというような問題もあってか、まだ普及はしていないように思われるが。初めて伊藤先生がボイスレコーダーに録音しているのを見たときは、カルテには2,3行しか書いていないのに全て頭に入っていて、それを頭の中で整理して順を追って話していくのはすごいなぁと思った。でも、何度か見たら、書くより話したほうがずっと楽だろうなと思うようになった。
 昼は、MRの人が持ってきてくれた
lunch(タコス)を食べた。
 午後は、1:30からDr. Liu (2nd year resident)と一緒に 診察をした。Dr. Liuはとてもやさしい方で、特に女性に対してはとても安心感のある笑顔でやわらかい応対をなさっていて、とてもよい診察だと思った。また、pap smearを見せていただいた。はじめてドーナツのような感じの子宮頸部を見た。pap smear はアメリカでは18歳以上の妊娠可能な女性は年に1度は検査することになっているらしい。高齢の女性は3年に1度くらいでよいらしい。高齢の方では、pap smear も慣れたような感じだった。
 ちなみに、アメリカの診察室にはたいていの設備が整っていて、まずベットがすごいと思う。腰掛にもなるし、引き出しを伸ばして足を置けば普通のベットのようにもなる。また、pap smearができるように専用の足置きも引き出して使えるようになっている。また、各部屋には耳鏡、眼底鏡がそろっているし、手洗いもできるし、家族用のいすが2脚置いてある。小さな鏡もあるし、医師がカルテを書いたりするような台も折りたたみ式で置いてあって、とても使いやすいと思った。完全な個室で、プライバシーは守られる。すごいなぁと思った。
 また、Dr. Liuに、私にも問診をとらせてもらえるかと聞いたところ、快く頷いてくださった。
 足の痛みで来院した18歳の男性が、記念すべき、私が初めて問診をとった患者さんとなった。残念ながら名前をメモしてなかった。ということは、最初に名前を確認しなかったということだ。失敗。
 でも、とにかく、日本でもまだBSLを経験していない私が、初めて問診をとらせていただいたのが彼だった。はじめは少し緊張したが、日本から来た医学生だと挨拶し、問診をとらせてもらってもいいかとたずねると、快くうなずいてくれた。
 彼は18才の大学生で、foot ball playerだという。通りで体がとても大きくて、最初に部屋に入ったとき思わずしり込みしそうになってしまった(笑)。でも、スポーツ青年らしくとてもさわやかな感じの患者さんだった。
 今日はfoot painで来たという。いつから痛むのか、どこが痛むのか、どのようにして痛みが生じたのか、薬は使っているか、など、foot pain に焦点を当てて質問して言った。途中で、実は8歳のときに扁平足と診断されていて、そのときと同じ痛みだ、ということがわかった。因みに扁平足とは flat arch または pes planusというらしい。
 靴を脱いでもらって左足を見せてもらった。確かに少しflatだ。あとで気づいたことだが、両足が痛いといっていたのだから、両足を見せてもらうべきだった。
 10分弱の問診をとってからDr.Liuに報告し、再び先生と一緒に診察した。そして、orthpedicsに紹介することになった。
 初めての問診は、忘れられない体験だ。
 clinic は5時までのようだが、私のせいか、Dr.Liu先生が終わったのは5時半を過ぎていた。
Dr. Liuにお礼を言ってモーテルに戻った。
 夜になり、伊藤先生からお産が始まるという連絡を頂いた。急いで着替えてロビーに行くと、伊藤先生が着てくださったところだった。いそいでmemorialに行くと、すでに全開大の状態だという。先生にお願いして、私もオペ着に着替えさせてもらって、一緒に分娩を手伝うことになった。日本でのBSLもまだ始まっていない私には、お産は見たことはないし、ましてや赤ちゃんを取り上げる手伝いなんて、したこともない。でも、貴重な体験だと感謝して、患者さんに挨拶をして分娩を手伝った。
 患者さんはgravida7で、今までの分娩も正常な腟分娩だったので、分娩としてはもっともスムーズなものになりそうだった。こちらでは無痛分娩なので、患者さんは時々はいたりして辛そうだったが、痛みはなさそうだった。Dr. Gleasonが到着する15ほどの間に、伊藤先生と一緒に着替えを済ませて患者さんの足元に立った。Dr.Gleasonが到着し、いよいよpushingが始まった。すでに腟口からは赤ちゃんの頭が見えている。4回目くらいのpushingで先生に手をとってもらって、私も赤ちゃんが出てこれるように会陰部を指で押さえた。後で聞いたことだが、このとき先生は、赤ちゃんが一気に出てきて会陰が避けてしまわないように赤ちゃんの頭を抑えて、ゆっくりと出てくるようにしていたのだという。ちなみに先生は家庭医療の中でもお産を特に多くとるコースを選択しているらしく、普通のresidentが3年間で50症例くらいのお産を経験するのに、先生はすでに100症例以上のお産を経験しているとのことだった。
 それで、ゆっくりと出てきた赤ちゃんが、顔まで出終わると、すぐに先生は臍帯が絡まないようによけて赤ちゃんを引きだし(するっと抜けた)、今回は胎便の疑いがあったので第一声の前に吸引をしていた。赤ちゃんの重みはずっしりと感じられた(想像していたより重かった。実際には3000g弱くらいの赤ちゃんだった)。かわいい女の子だった。泣き声は思ったより小さかった。でもこの赤ちゃんの泣き声が小さかったのか、普通はいつもこれくらいなのかはわからない(先生に聞けばよかった)。臍帯をクリップでとめ、お父さんにはさみを入れてもらった。その後赤ちゃんはすぐに看護婦さんに渡されて体をふいてもらったりしていた。そういえば、お産をした部屋は小さなオペ室くらいの部屋で、妊婦さんとだんなさん、看護婦さんが二人と伊藤先生、Dr. Gleason それに私を含めた学生3人がいた。必要であれば帝王切開には5分くらいで踏み切れるという(ただし、部屋は移動するらしい)。お父さんは赤ちゃんが生まれるときもずっとお母さんのそばにいて、手を握ってあげていた。お母さんがpushingしているときはお父さんの手がものすごく強く握られて痛いようなことを言っていた。赤ちゃんが生まれるとお父さんは携帯で写真をとって知り合いに送っているようだった。
 赤ちゃんが生まれると、お母さんの両足ががくがく震え始めた。後で先生に聞くと、麻酔のせいもあるし、いきんでいたからというのもあるのではとおっしゃっていた。 赤ちゃんが出た後も、分娩第3期の胎盤の娩出がある。臍帯を引っ張って、おなかをマッサージする感じで子宮から胎盤が出るのを手伝った。教科書どおり10分〜15分くらいでするっと抜けてきた。胎盤は、テキストにあるようにやっぱり全体に紫色で、全体に白い膜で覆われたような感じになっていた。感触は、やはりずっしりと密な感じがした。先生は臍帯の先端にある動脈と静脈の切断面を確認していた。
 その後チャートの記入について簡単に教えてもらった。 初めての分娩に立会い、女の子を取り上げる手伝いができて、本当によい体験となった。先生にはなんとお礼を言っていいかわからないほどだ。本当にありがとうございます。
 モーテルに戻ったのは3時を回っていた。かえってすぐに寝た。
Mar.29, 2005 

今日は朝8:30からclinicに行き、Dr.Rajuにつかせていただいた。
 MRの患者さんで、頭をかべに打ち付けてしまったことのfollow upに来た患者さん、refill medicationの患者さん、左肩が痛い女性の、生まれて4日の男の子で、母親が黄疸を心配してきた患者さん、ADHDの男の子、だいぶ前の交通事故の後、まだ頭痛がするといってきた患者さんなどなど・・・・。とても勉強になった。本当にいろいろな患者さんがいらっしゃるんだなと思った。
 午後はDr.EwardにCCHCに連れて行ってもらい、そこでDr.Guptaについて患者さんを見せてもらった。ここではprenatalの患者さんだけを見せて頂いた。天気がよかったので、予約してあっても来ない患者さんが結構いるらしい。
 妊娠して初めての検診で来た女性、23週の女性、17歳で初妊娠の女性、24週の女性、32週の女性など、たくさんの患者さんがいらしていた。途中で問診を取らせていただいたが、聞くことが多くて難しく、先生に沢山followしていただいた。

Mar.30, 2005

今日は8:30から伊藤先生の外来だった。
 はじめに81歳の女性の問診を取らせていただいたが、話がどんどん膨らんでしまってなかなか区切れず、限られた時間で適切なことを聞くという問診の趣旨からは大きく離れて世間話みたいになってしまった。でも、患者さんは私と話した後、伊藤先生にお会いすることもなく帰ってしまったので、充分話して満足してしまったのかなと思った。もともと定期的に通っていた患者さんで、今日も特に大きな病気のために来たというわけではなかったようなので・・・。
 ほかに、prenatalの患者さん、4 monthswell-child-visitの患者さん、アルツハイマーの女性など。
 左のつま先を打ったfollow upで来た患者さんの問診を取らせていただいた!今度は以前に比べてだいぶ慣れて、多少はスムーズに問診ができたように思う。

午後はカンファレンスだった

part 1  製薬会社の人が来て、新しいstatinの一種についての効果について話していた。
part 2 The foundation for edical practice education という小冊子が時々出るらしく、今回はmyocardial infarction secondary prevention だった。
part 3 は眼科医の先生が来て、眼疾患についての総説みたいな感じで講義してくれた。眼科の講義を英語で聞いたのは初めてで、日本語でもあいまいな単語が次から次へと英語ででてきた。でもとても勉強になって面白かった。最後に2つ質問をした。

終わったのは4時ごろで、その後本屋に行き、明日の場所を確認し、夕食を食べ、眠ってしまった。

Mar.31, 2005

今日は9:00からSIUattending roundのようなものに参加させていただくことになっていた。でも、担当の先生がお休みになったということで、急遽他の先生がいらしてくれた。終わってから、clinicに戻って Dr.Guptaにつかせていただいた。生理が不定期な女性、偏頭痛の女性、低血糖発作を繰り替えす女性など。午後は、Mizare先生につかせていただいた。たくさんの患者さんを見せて頂いて、どれも本当に勉強になった。

Apr.1 , 2005

 今日は最後の実習だ。午前中はACCDr.Ewartについた。最初からACCに来た患者さんの問診を取るように言われ、とまどったが、なんとかやってみた。最初はお店のドアでひじを打って腫れて来たという患者さんだった。でも、それは実は嘘だったらしい。というのは、腫れはとても固いもので、急性にできたものとは考えられなかったからだ。アメリカには、このように嘘を言ってお店などを訴えてお金をもらったりすることが頻繁にあるらしい。

 それ以降、15人くらいの患者さんで、問診を5分くらいでとり、Dr.Ewartに30秒くらいで報告するということを繰り返した。はじめは報告するのも時間がかかって、全部言い終わらないうちに、先生のほうから患者さんに直接質問してしまうことが多かったが、だんだん、要領を得てきて、本当に必要な情報だけをpick upして先生に伝えられるように少しは成ったと思う。また、患者さんに自分を紹介して問診を取らせてくださいというときも、最初はとてもぎこちなかったのだが、堂々としてよろしくお願いしますという態度で接すれば患者さんにも不安を与えないで済むと気づき、途中から慣れてきた。問診をとるときも繰り返すうちに、ACCの短い時間で何を絞って聞くべきかだんだんとわかってきた感じがあって、自分でもとても嬉しかった。今日は最後の実習日だったこともあり、今まで学んだことをこの午前中に生かしきるつもりで頑張った。もちろん、まだまだ改善点は多いと思うが、自分なりにはよくできたのではないかと思う。何よりとても楽しかった。指導してくださったDr. Ewartには、本当に感謝の気持ちでいっぱいだ。

4)最後に
 実習を終えての感想は、何よりも、”行って本当に良かった!!!!”ということだ。行く前からとても楽しみにしていた。そして、実習中は本当に楽しくて、毎日毎日新しいことを学んでいくことが本当に嬉しかった。実習の途中途中で、先生方の温かいご配慮のおかげで、何人かの患者さんに問診を取らせていただくことができたし、最後のACCでも、たくさんの患者さんに問診を取らせていただいて、本当に本当にためになった。
 また、伊藤先生とのお話の中からも、アメリカでの医療と日本の医療の違いについて考えさせられ、とても参考になった。特にお産のことはとても印象深かった。
 問診を取らせて頂いたこと、お産を見させていただいたこと、family practice というものについて多少なりとも体験できたこと、いずれも、実習前に私が学びたいと思っていたことであり、感動というと大袈裟かもしれないが、実習を終えた今、それに近い感情がある。たった5日間とは思えないほど多くのことを学ばせていただいた。この貴重な経験を与えてくださった伊藤先生には、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。心から、ありがとうございました。
 今後も、よりよい医師を目指して、自分を鍛えていきたいと思います。頑張ります。