|Home|サイトマップ|ファミリーメディスン|外来教育通信講座|IMPACTに挑戦|CHATに挑戦| |米国家庭医研修・見学に挑戦|家庭医コンサルタント|リンク|お問い合わせ| |
家庭医・プライマリケア医のためのアメリカ・米国臨床留学への道
|
家庭医・プライマリケア医のための 南イリノイ大学 学生・研修医見学実習申し込み 家庭医・プライマリケア医のための 南イリノイ大学 学生・研修医見学実習レポート 体験記1(医学部6年) 体験記2(医学部6年) 体験記3(医学部6年) 体験記4(医学部4年) 体験記5(医学部6年) 体験記6(医学部4年) 体験記7(医学部4年) 体験記8(医学部6年) 体験記9(医師卒後7年) 体験記10(医学部6年) 体験記11(医学部6年) 体験記12(医師卒後1年) 体験記13(医学部5年) 体験記14(医学部6年) 体験記15(医師卒後6年) 体験記16(医学部5年生) 体験記17(医学生3年) 体験記18(医師卒後7年) 体験記19(医師卒後3年) 体験記20(医学部3年) アメリカ・米国臨床留学への道 学生編 アメリカ・米国臨床留学への道 研修医編
実習初日には、AttendingにCenter for Family Medicineの案内を受けた。Center for Family Medicineは2階建ての建物で、中には診察室が30室あり、レジデントはここで外来のトレーニングを受ける。また地下にはカンファレンス室があり、ここでレジデントは様々なレクチャーを受ける。 主なスケジュール 1週目の午前中はMemorial Medical CenterでのHospital Round, 午後はレジデントについての外来実習。2週目は午前午後ともに外来実習が中心であった。 外来実習 アメリカはどこもそうであるが、外来の診察室は日本のとは違い完全な個室であり、患者のプライバシーは十分守られる。各診察室には診察台、洗面台、眼底鏡、耳鏡などが備えられているのみで、とてもシンプルである。 外来はすべて予約制であり、レジデントの場合は一人の患者につき30分ほどかける。 最初の半日は、慣れてないということもあって、レジデントの診察の見学に終わったが、慣れてくるにしたがって自分一人で患者のH&Pを取らせてもらい、それをレジデントにプレゼンした。そしてレジデントといっしょにもう一度患者を診てから、Attendingに二人で確認を取った。プレゼン、またレジデントともう一度患者を診察する際に自分が何を聞きそびれたか、そしてphysical examでは何が足りなかったか確認でき勉強になる。 2週目になると、自分で診た患者をAttendingに直接プレゼンし、鑑別診断や治療方針などについてもレジデントやAttendingと議論できるようになってきた。 患者を診察した後には、Mrs. Lin is a 63 y/o Asian female with a past history of poorly controlled hypertension awoke today at 6AM with a squeezing substernal chest pain 〜〜と約1分少々にてプレゼンすることを要求される。 この際にはIdentification/chief complaint、HPI、PMH、Allergies/medications 、Social history、Family history、Review of systems、PEにて重要なことはすべて含めなくてはならない。さらには学生でもAssessment and planを要求される。ここでは主に疑っている疾患とその鑑別診断、そして次にはどのような検査または治療を行いたいかまで話せると良いのだが、残念なことに今まで日本できちんとH&Pを取ることやプレゼンすることはほとんど教わることはなかったためA/Pまでプレゼンに含めるのはとても難しかった。アメリカの医学生やレジデントは、そこは徹底的に教育されてきたという印象が強く、 日本の学生との主な違いは知識面というよりは主に診察力とプレゼン能力にあるのだと実感した。 また2週目にはレジデントでなくAttendingについての外来実習もあり、ここではいわゆる修行中であるレジデントの外来とは違う、家庭医療的なアプローチの診察を体験することができたと思う。 アメリカの患者は日本に比べると、病気に関してインターネットや本などを通じてかなり勉強してくる人が多い。そのため医学生以上の知識を持っているのではないかと思うほどの患者もいた。また薬に関する知識も多く、患者に“今はどのようなお薬を服用してますか?”と質問するとたいてい“毎朝Prozac 20mg, Vasotec 10mg”などと答えてくれる。そのため医師は最新の文献のupdateされた情報を患者側に与えることが要求されてくる。 家庭医療の見る領域はとても広く、2週間の外来実習にて内科のみでなく、小児科、産婦人科、皮膚科、整形などありとあらゆる患者を診ることができた。DMや高血圧などの内科的な疾患を抱えた患者の割合が多かったが、小児の健康診断や妊婦のprenatal visitも多かった。 毎朝9時からはresident loungeにてAttending roundが行われる。Attending1人、シニアレジデント1人、2年目レジデント1人、インターン3人の計6人で構成されたチームにてFPのinpatientの管理・治療を行っていた。Attending、シニアレジデントはスーパーバイザー的な存在であり、実際の患者の管理・治療は2年目レジテントとインターンが行っていた。 ここでの実習は主には見学に終わったが、精神科からコンサルトを依頼された患者のH&Pを取らせてもらった。簡単な問診と診察を行い体のほうに異常がないか確認をし、そしてカルテを書き、Attendingのサインをもらった。ここでは自殺意図のある少年を診察した。精神科でなくFPの診察であるため、あまり深入りしなくていいと言われてはいたのであるが、家庭での問題や学校での問題などについても話し合った。そして少しでもアドバイスできるように努めた。結果的には大幅に時間を食ってしまったが、別れ際に少年は僕と話せて良かったと言ってくれて、僕もほっとした。 CCHC1週目の火曜日の午後はCCHCにて実習させてもらった。ここはCenter for Family Medicineからは少し離れたところにある、主には貧しい人のためのクリニックであり、ここでは主にOB(prenatal)の患者を診る。 最初はシニアレジデントについて初診及び再診の患者を診た。ここで、問診のポイントや診察のポイントを教わった。 次の患者からは自分ひとりで診ることとなった。最初は緊張しながらも、患者とは徐々に和気藹々と雑談も交えながら話していけるようになった。最初に診たのは初診の患者であり、聞くことが多くとにかく時間がかかってしまう。またここのクリニックに来る患者は、家庭の問題やSTDの問題などが深刻である。H&Pを取った後は、レジデントと一緒にpelvic examを行った。ここで、今まで一度もやったことのないpap smearをやらせてもらった。Pap smearはアメリカでは、女性は18歳以後またはsexually activeになってからは必ず定期的に行う検査であるためとても重要な手技である。初めて行うということもあってなかなかspeculumが中に入らず、レジデントに少し手伝ってもらいどうにか検査を終了した。 その次の患者からは、みんな再診の患者であった。問診ではheadache、edema、vaginal bleeding、vaginal dischargeなどがないか聞き、診察では子宮底の距離および胎児の心音を計る。そしてカルテを書き、Attendingにプレゼンをして、問題がなければサインをもらい、患者を帰した。 Nursing Home1週目の木曜日の午後は、Springfiled郊外にあるNursing Homeで実習を行った。Nursing Homeは日本のいわゆる老人ホームであり、Attendingとレジデント数人で月に何回か往診しに来るようである。 ここでは、93歳とかなり高齢な女性を一人診察した。彼女は高齢にも関わらず、体調面では特に問題はなかった。ただ耳が遠く、会話するのには苦労した。 研修中に新生児から90歳台の御老人の患者まで診ることのできる、FPのレジデンシーは魅力的に感じた。 Anti-Coagulation ClinicCenter for Family Medicineにはwarfarin(coumadin)治療専門の外来がある。2週目の火曜日の午前に僕はここで半日実習させてもらった。ここにはwarfarin服用中の患者がwarfarin doseおよびtarget INRの調整のために来院する。Family Medicineのクリニックにこのような外来があるのは、少し不思議な感じもする。 この日は薬剤師の先生に指導してもらった。問診を行い、INRを計り、その結果に基づいてwarfarinのdoseを決定する。問診では、前回処方されたwarfarinは全部服用したか、鼻血や吐血などの出血症状はないか、抗生剤は使用してないか、飲酒の有無、最近風邪を引いてないか、下痢などしてないか、緑色野菜を取りすぎてないか、など聞く。どのようにwarfarin doseを調整するか指導してもらうことができて、とても勉強になった。 Vasectomy2週目の木曜日の午後、僕は外来実習中であったが、Attendingとシニアレジデントがこれからオペがあるから来ないかと誘ってくれた。オペと言われたのでMemorial Medical Centerに連れて行かれるのかと思ったが、外来診察をしていた隣の処置室でのオペであった。聞いてみると、ここのクリニックでは男性のvasectomyを週に1,2回は行っているということである。処置室といっても特に外来の診察室とは変わりがない。手洗いをして僕も参加させてもらった。簡単なオペかもしれないが、このようなオペをFPレジデントは研修中に経験して自分一人でもできるようになるのである。 Urgent Care Clinic最終日の午後には、Center for Family Medicineにあるwalk-in urgent care clinicにて実習させてもらった。外来はすべて予約制であるため、予約のない急患はこちらで診る。重症な患者はERに行くため、このクリニックで診る患者は比較的軽度である。 半日で咽頭痛、発熱、腹痛などの症状で来院した患者の5,6人のH&Pを取ることができた。僕が診た患者は、皆風邪やアレルギー性鼻炎や腸炎などで診断に至るまでは特に問題のない患者であった。しかし、よくよく考えてみると自分は日本にて1年間のBSL実習を終了したにも関わらず、実際に風邪の患者を自分で診察したのは初めてである。やはり日本の医学教育の物足りなさを痛感してしまう。 最後に 2週間と短い期間ではあったが、貴重な経験をすることができた。FPレジデンシープログラムの3年間ではどのような研修ができるのか、だいたいつかむこともでき、またFPの幅の広さそして奥の深さを実感できた。今後はこの経験を生かしてがんばっていきたいと思います。 今回の実習にあたり、このような貴重な機会を与えてくれた伊藤先生、Albers先生、スケジュール調整をして頂いたFoxさん、また実習中指導してくださったSIUのfacultyおよびレジデントの皆さんには深く感謝します。 |
〜あなたと家族と地域の幸せを願う人を目指して共に学びあう〜 「ファミリーメディスン」 copyright(C) 2006 all rights reserved by 家庭医とプライマリケア医を目指す方の研修・教育をサポートする「ファミリーメディスン」 伊藤メソッド米国式OSCE+α体験学習会「IMPACT] 伊藤メソッド外来教育通信講座「OOPS」 伊藤メソッド外来英語教育通信講座「CHAT] |Home|サイトマップ|ファミリーメディスン|外来教育通信講座|IMPACTに挑戦|CHATに挑戦| |米国家庭医研修・見学に挑戦|家庭医コンサルタント|リンク|お問い合わせ| |