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家庭医・プライマリケア医のためのアメリカ・米国臨床留学への道
それは一つのとても大きな挑戦です

8/27-31

今週からout-patient clinicが始まりました。これはいわゆる日本で言う外来です。でも、実習する場所は病院内にはありません。大抵は病院からちょっと離れたところにあります。3週間の予定で行なわれますが、学生はそれぞれ別々のクリニックへ行きます。ここが日本と大きく違うところだと思いますが、外来実習するときでも必ず指導教官一人に対して学生が一人という形を徹底します。日本では最近、開業している先生のところへ実習しにいくことをはじめた大学がいくつかあるようですが、こちらでは内科に限らず、どの科でもこのような形で外来の実習をしているようです。そして、クリニックでは主に慢性疾患を患者さんやcommon diseaseを中心に見ることができます。病院と違って(in-patientと表現するそうですが)、大抵はフォローアップできている患者さんが多く、元気そうな方が多いです。高血圧、糖尿病、高脂血症、変形性関節症などが中心のようです。

僕が通っているクリニックはVA(Veterans Administration)クリニックといって軍隊に所属した経験がある人だけが通うことのできるクリニックです。ここに通う多くの患者さんは処方箋をもらいにくる人が多いです。VAクリニックでは薬代を軍で払ってくれるため、とても安く手に入れられます。たとえば、高脂血症の薬は1ヶ月1万くらいかかりますが、ここでは500円くらいで手に入れられます。大抵患者さんはここのクリニックのドクターとは別にかかりつけのドクターに見てもらっています。もちろん、VAクリニックのドクターしかいない、という人もいます。初診の患者さんに今日はどうなさいましたか、と聞くと、処方箋をもらいにきました、別に具合の悪いところは特にありません、という患者さんが結構います。それくらいこちらでは薬代が無視できないほど高いのです。高血圧、高脂血症、糖尿病にかかっている人の薬代は1ヶ月数万円します。保険に入っていない人もたくさんいるアメリカでは薬代だけでもかなりの負担になることは容易に想像できます。

実習ですが、まず一人でカルテを読み大体の内容をつかんでから、部屋に入っていきます。患者さんの話しを聞いて身体所見をとってから指導教官へ報告しに行きます。それをもとに指導教官が患者さんと話しをします。必要ならば、身体所見をとりますが、僕が先に見ているので、異常がないといってしまえばほとんど見ません。(だから、こちらも結構真剣になって身体所見を取ります。)一日に6〜7人のペースで見ています。しかし、in-patientにくらべると非常にゆったりとした時間の流れを感じます。

今度CSA(clinical skills assessment、OSCEみたいなアメリカの外国人医師に対する試験)を受験する予定なのでその予行練習みたいな感じで患者さんと話しをしています。それにしてもうまく患者さんとコミュニケーションを取るのは大変です。アメリカ人的なジョークをいわれてもまったく理解できなくて患者さんは笑っているのに、僕は笑えなくて困っています。本来は逆の立場でありたいのですけれども・・・。