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家庭医・プライマリケア医のためのアメリカ・米国臨床留学への道
それは一つのとても大きな挑戦です

9/24-28

先週に引き続き、MICU(medical intensive care unit)をまわっております。先週と比べると今週は2倍くらい忙しかったです。先週の実習報告でMICUは思ったより暇と書きましたが、それはたまたまその週が暇だったようです。今週は週の初めから患者さんがたくさんトランスファーされて(直接入院もありますが、たとえばdurg overdose,alcohol,coccaine,etc.)、MICUだけでは足りず、SICU(surgical ICU),NICU(neurological ICU) ,PICU(pediatric ICU)、CCU(cardiao vascular unit)の部屋も借りました。先週、ICUは4つのユニットに分かれていると述べましたが、さらにもう2つICUと呼ばれる場所があることが分かりました。同じフロア-ではないのですが、NICU(neurological ICU),NICU(neonatal ICU)です。neurologicalの方はMICUに比べると少し状態が安定している患者さんが多いですが、NICUとMICUの具体的な違いがどこにあるのか、いまいち把握しきれていません。病院の総ベット数がそれほど多くないのに(たしか600床弱くらいだと思いましたが)、これだけのICU(6unit MICU,SICU,PICU,CCU,NICU,NICU)を持っているとは驚きです。

指導教官も毎週変わる

他の一般的なフロア-では指導教官は2週間ごとに交代するのですが、MICUは1週間おきに交代します。毎週月曜日はすべての患者さんを新しい指導教官と一緒にまわらなければいけません。今週はかなりの時間がかかりました。それから指導教官のsubspecialityはほとんどが呼吸器です。日本だとICUは麻酔科医と救急医といったイメージがあったのですが、こちらでは一度も麻酔科のドクターを見かけていません。人工呼吸をつけている患者さんの管理は呼吸器のドクターがしています。

 

ガンの告知

今週はMICUに入院している患者さんでアメリカならでは、とおもった患者さんがいたので紹介します。この患者さんは肺癌の末期で呼吸不全のためMICUにきました。担当の医師によると家族は本人が癌の末期だということをまったく知らされていませんでした。つまり、家族は患者さんがそれ程深刻な状況だとは認識していません。そして、昏睡状態になってしまい家族に患者さんの状態を説明しなければいけない、という状況がありました。日本ではまったく反対のケースはよく見かけますが、このようやケースは少ないのではないでしょうか。はじめに、家族に相談してそれから患者さんに告知するかどうかを決める、というのが一般的なように思われます。

アメリカの国家試験の科目にbehavioral science(行動科学)というものがあります。癌の告知についての問題があります。その基本的な考え方ははじめに、癌の告知は患者さんにしなければいけないというものです。家族からあらかじめ本人が癌だった場合に、本人に話しをしないようにとお願いされた。この場合どうするか、という問題もよくあるのですが、この場合も答えはまず、患者さんに話しをし、それから家族に真実を打ち明けるかどうかを決めなければいけない、というものです。こういったことが国家試験レベルで出てくるのですから、すごいなあと思います。日本ではこのような試験問題が出されたら、不適切問題となりかねません。でも、医療行為は、すべての医療情報を含めて、患者さん本人と医師の間においてのみ成り立っているわけですから、それを考えると納得する部分もありますが。みなさんはどのように思われますか。

 

Shelf exam

各ローテーションの終りに、まとめの試験があります。今週はその試験がありました。他の医学生は今週で12週間すべての日程が終り、次のローテーションへと移っていきます。試験は内科全般で100問2時間です。これが非常にステップ2(アメリカ国家試験の臨床問題)と出題傾向も時間も難易度も似ていました。受けるまではイリノイ大学の内科の医局で作った問題を解くのだろうと思っていましたが、受けてみてびっくりしました。アメリカ内科学会かどこかが認定している由緒正しい問題でした。つまり、アメリカ中の医学部で同じ試験がすべての学生に対して行なわれているわけです。そして、その試験に合格しなければ単位を与えてもらえないわけです。国家試験のみならず、各科でこのような共通した試験が行なわれているようです。

 

残り1週間となりましたが、新しく月が変わりますので、MICUのメンバーもすべて変わります。こちらではローテーションは1ヶ月ごとに変わっていくのです。一緒に3ヶ月を共にした医学生達はfamily practiceのローテーションへと移っていきます。いよいよこのローテーションも終りが近づいてきたなと感じさせます。僕も6年生最後の実習として、くいの残らないようにがんばりたいと思います。