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家庭医・プライマリケア医のためのアメリカ・米国臨床留学への道
それは一つのとても大きな挑戦です

8/6-10

こちらの病院で入院する患者さんの仕組みについて述べたいと思います。

保険制度が日本と違う関係で少し様子が違います。皆さんもご存知のようにこちらでは保険を持っていなくて満足に治療を受けることができない人もたくさんいます。そういった人達をも含め、どのように入院するのかをお伝えします。

入院する患者さんはほとんどが最初ERにきます。そこで、ERドクターによって入院が必要かどうかを判断され、内科的疾患ならば総合内科に入院します。人によってはprivate ドクターからERに行くように言われたから来た、という人もいます。ここで基本的に2種類の患者さんに分かれます。private ドクターがいる人、いない人です。

privateドクターがいる人はたいてい保険を持っているし、仕事ももっている人です。このような患者さんはprivateドクターが入院中の最終的な治療方針を決定します。普段このドクターたちは病院にいるわけではありません。クリニックを自分で持っていて、必要に応じて病院に足を運ぶわけです。ここが日本と大きく違う点だと思います。開業しているドクターの患者さんが近くの病院に入院し、入院中もそのドクターがめんどうをみるといった感じです。しかし、たいてい入院中はレジデント、インターンが面倒を見ます。もちろん学生もですが。主な指示や最終的な治療責任はpraivateドクターがもつといった感じです。

privateドクターがいない人はUTS(university teaching service)が入院中の責任を持ちます。このような患者さんは保険を持っていなかったり、仕事がなかったり、社会的に様々な問題を抱えている人がどちらかというと多いです。もちろん、きちんと普通に生活している人います。レジデント、インターンはじめ学生が責任を持って治療を行なう患者さんは主にUTSの患者さんです。UTSの患者さんの中には当然お金が払えなかったりする人もたくさんいますが、病院はそういった人達に無償で治療をします。その代わりに、いろいろと学ばせてもらうといった感じです。UTSの指導教官たちは日本で言う教授、助教授、講師にあたる人達が行ないます。普段の回診ではUTSの患者さんだけ見ますし、モーニングレポートで症例提示をする場合でもほとんどがUTSの患者さんです。

僕が実習を行なっている病院は大学の付属病院ではなく、教育病院になっています。病院経営はある教会の団体が行なっています。そして、病院を部分的に大学に貸しているといった感じでしょうか。だから、患者さんにも上記のように違いが出てきます。日本では開業してしまうと、病院へ行って検査をしたり、手術をしたりすることがほとんどなくなってしまうと思いますが、こちらでは頻繁に病院に出入りしています。入院中の治療もprivateドクターが行なうといった環境は日本ではなかなか理解しがたい印象を受けます。