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家庭医・プライマリケア医のためのアメリカ・米国臨床留学への道
それは一つのとても大きな挑戦です

7/2-6

今週は先週に引き続き、オリエンテーションがありました。2週間のオリエンテーションを通じていくつか気がついた点を述べていきたいと思います。

女性の講師がとても多い

 こちらでは女性のスタッフがかなり多いです。すべてのオリエンテーションを通じて 6割くらいの講師の先生は女性でした。医学生も各学年4〜5割は女性です。日本でもこれからますます女医さんが多くなっていくと思いますが、ここら辺はさすが、アメリカといったところでしょうか。

スタッフの数が多い

 よくアメリカの教育を日本と比較するときにスタッフの数が豊富だということを耳にすると思いますが、確かにその通りです。大抵の講義は1クラス20人くらいで受けるように組まれていました。1学年60人ですから、3つに別れて1時間ずつ、3つをローテーションしていきます。つまり、講師の先生は3回同じ授業をするわけです。小人数で常にみんなに意見を求めながら進めていく授業はなかなか退屈する暇を与えてくれません。講師の先生はみんな熱心でした。日本では先生が、忙しいから、と言ってなかなかゆっくりと時間を割いてくれないことが多いように思います。また、一生懸命生徒の関心を惹くように各々の先生が授業に工夫を凝らしていました。最も標準的なスタイルは最初20分ほど講義があり、そのあと、5、6人のグループに分かれて、議論したり、作業をしたりというものでした。

コンピューターがかなり普及している

 これは医大病院のようにオーダーリングシステムがコンピューターなのはさる事ながら、オリエンテーションではどのようにして文献の検索をするか、もしくは、薬と薬の相互作用をどのように調べるかなど、コンピュータールームで実際の症例に照らし合わせながら、教えてもらいました。本を開くよりもインターネットで調べられるようにそのノウハウを教えてくれました。こちらのライブラリーには豊富なデータ-がそろっており、たとえば、ハリソンはオンラインでup dateな情報をいつでも見られます。今は、教科書もほとんどon lineで見られるようになっています。コンピューターが使えないと致命的な雰囲気さえ感じさせます。それを象徴するように、オリエンテーションの最後にPDA(personal digital assistant)という電子手帳を生徒全員に貸し出します。大体2万円位するものだと思いますが。こちらの病院ではそれをレジテント、学生全員が携帯しています。その中にはハリソン、ワシントンマニュアル、ドラッグインフォーメーション、患者さんのオーダー、カンファレンスの予定、など様々な情報を蓄え、近くにあるコンピューターから情報を送ったり、引き出したりしています。

手技実習の内容

 人形を使って練習するのですが、その内容は日本でやらなかったものが多かったです。血糖値の簡易測定方法、インスリン注射の仕方、IV留置の仕方、IV、IM、などの注射の仕方、眼底鏡の見方(こちらではみんな自前の眼底鏡、耳鏡を持っています。内科のローテーションでは必須です。)縫合の仕方、尿道カテーテルの留置の仕方、腰椎穿刺の仕方、NGチューブの入れ方、Defibrillator、EKGなどです。日本では練習しても実際これらのことをやる機会が余りありませんが、こちらではルーチンに学生がIVをしたり、日本の研修医レベルの手技をするといわれています。それが本当かどうかは、これから病棟実習が始まったらお伝えできると思います。

カルテの書き方

 この2週間でかなり重点が置かれていました。最後にはオリエンテーションの卒業試験があり、症例を与えられ、以下のものを書いて提出すること、それに関連した参考文献を1つ、5分間のビデオに向かってのプレゼンテーション、がありました。

SOAP
Problem list
Admission order

これについて一人20分くらい指導教官と一対一でアドバイスを受けました。熱心に指導してもらい、大変助かりました。
Admission order という聞きなれないものが、登場しましたが、これは文字通り、入院するときの手続きです。具体的にどういったものか、以下に書きますが、日本では研修医の先生がオーダーを出すと思います。これと同じようなスタイルのものがあるのかどうかわかりません。
試験の為に自分で作ったものです。16歳の男子、喘息発作で運ばれ、入院が必要になりました。

Admission order
S.S(Patient name)
7/5/01 15:30
Admit to Pediatrics
Dx: Exac(exacerbation of Asthma)
Condition: fair
Allergy:NKDA(no known drug allergy),tree, grass pollen, ragweed
Vital sign: VS every 4 hrs Call (me) if BP<100/50 or >160/100, P<60 or >120, R>40, T>37
Activity: Bed rest
Diet: general
Nursing: respiratory care
IV: LR(lactate Ringer's) @125 cc/hr
Medications:methylprednisolone 125mg/shot 40mg/q(every) 6 hr
nebulizer(albuterol, ipratropium) q (every)  6 hr
continue montelukast 10mg PO(per oral) qd (every four times a day)
Labs:CXR                                                                    Akihiro Ito
これにも処方箋書いたりもするそうです。