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家庭医・プライマリケア医のためのアメリカ・米国臨床留学への道
それは一つのとても大きな挑戦です

少しばかり遅い研修報告になってしまったが、Community Medicineについて述べたい。この研修は2年目の中でもっとも時間の余裕がある研修であり、休暇をとるためには絶好の機会である。僕もその類に漏れず、1週間半の休暇をとり、日本へ1年ぶりの帰国を果たした。

研修の中身だが、VNA,visiting nurse association,のナースと一緒に訪問看護をすることから始まった。学生中にも体験した経験だが、面白いことに日本の訪問診察となんら変わることがない光景が繰り広げられる。つまり、日本のドクターが訪問診察でしているような行為は米国のナースはほとんどすることができるわけで、採血もするし、ナースの判断である程度使う薬などを選ぶことができる。後でドクターから許可をもらえばよいだけだからだ。僕はwound specialistといわれるナースについて訪問看護をした。床ずれややけどのために毎日ガーゼの交換が必要は患者などを訪れた。彼女たちはこれらの領域について専門教育を受けた人たちであり、当然レジデントなどよりもその領域については経験や知識がたくさんのことを学ばせてもらった。

無料で薬を支給している団体や無料の食べ物、寝所を提供している施設などを見学もした。その他にも成人のデイ・ケア、シニア・センター、ホスピス、ドラッグ常習者治療施設、老人ホームなどを渡り歩いた。僕はレジデント終了後、老人医学の勉強をしたいと思っているし、将来日本へ戻って老人ホーム、ホスピスを作ることが夢であるので、これらの施設見学はとてもためになった。中でも個人経営の老人ホームは感心させられた。エントランス、食堂は高級ホテル並みであり、食事も毎回高級レストランで食事をしているのかと思わせるほど様々なお皿が出てきていた。日本でもこれからますます老人人口が増えていく。いかにお年寄りが安心して暮らしていけるのか、そのアイディアをたくさん吸収した研修であった。

ついでに休暇についても一言。僕のプログラムでは1年間に3週間の有給休暇と1週間の教育休暇(学会や試験のために休暇が取れる)と14日の病欠が認められている。米国ならではかもしれないが、当然、有給休暇はすべてとる。僕の場合、8月に日本に帰国したく、あらかじめこの月を休暇の取れる研修に当ててもらったのだ。研修によっては休暇がとりにくい月もあるが、大抵はどの研修でも取ることは可能であるし、なんの躊躇もなく休暇を申請できる雰囲気があるのがうれしい。1週間ちょっとの短い日本への一時帰国だったが、山梨県の診療所、病院などを訪れることができ、同僚の研修医たちの医療や話も聞くことができ、僕が現在米国で行っている研修との違いを知ることができ、これからの研修の大きな手助けとなったことは間違いない。