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家庭医・プライマリケア医のためのアメリカ・米国臨床留学への道
それは一つのとても大きな挑戦です

Surgical Outpatient

12/01/02

夢のような生活もあっという間に1ヶ月が経ち、終ってしまった。このままでは今月何を学んだか分からずに終ってしまいかねないので、今日はこちらでの日帰り手術について少し触れておこうと思う。一般外科で多いのはヘルニアの手術であることは前に話したが、こちらではほとんど内視鏡を使った手術で、半日で患者は退院していくのがはやっているらしい。僕が今月一緒について回った一般外科医は若手筆頭卒後2年目でチーフレジデントもした外科医だ。彼は内視鏡をつかって行う手術が得意らしく、というか、彼らの世代は内視鏡手術を中心に学んでいるのだろう、多くのプライマリ・ケアドクターから患者が送られてくる。手術の傷も小さく、侵襲性も少ないとあって、今かなりこれがはやっているようである。手術場所は大きなクリニックに日帰り専用の手術室を作り、そこで行われている。これは完全に病院とは離れている場所だ。米国では手術すら期間が短くなってきていて、日帰り手術,Day surgeryというのはかなり一般的になっている。日本の大学病院ではこれから、という感じだったと思う。去年、実習に行った湘南鎌倉病院が日帰り手術を行っており、自慢げに話していたのが記憶に残っている。

今月は外科のレジデントとも一緒に仕事をする機会があった。一般外科レジデントは5年間のレジデント生活を終えると一人前に開業できる。日本では考えられないシステムであろう。5年間に執刀医として手術を何症例したかということが細かく義務付けられているので、5年経てばそれなりにひとり立ちが可能なのだそうだ。さらに、専門へ進みたいレジデントは2年間のトレーニングを受けなければいけない。僕が外科を志さなかった理由のひとつに外科の学生実習で手術の絵を描かせられたことが上げられる。僕は絵を描くのが大の苦手だったのだ。それから外科の毛嫌いが始まったのかもしれない。しかし、米国では絵を書く必要はまったくない。手術内容は文章で細かく記すだけでよい。外科レジデントといろいろと話し込んでいると、外科医もなかなか面白いと思うようになってきた。こちらにきて外科への毛嫌いはなくなりそうだ。2年目のローテーションの1つに外科のinpatientというのがある。これは文字通り、手術を中心に外科を学んでいくものだ。そのときまでにせめて縫合ぐらいはまともにできるようになっておきたいと思う。

さあ、月が替わり今年最後のローテーションは産科だ。もっとも経験がない産科だが、持ち前の要領で乗り越えていきたいと思う。新しい生命の誕生を患者とともに喜んでいこう。

11/21/02             

このローテーションも3週目が終わり、残すところあと1週間だ。外科外来がメインのはずなのだが、それは週に3日半しかない。それと同じ比重をしめるのが、FPクリニックだ。今月になってコンスタントに週3日半もクリニックがある。今までは週1回か多くて2回だった。FPレジデントプログラムの特徴は3年間を通じてどんなローテーションでも常にクリニックがあるということだ。週3日半もクリニックがあると患者数もそれなりに増え、様々な症例を体験できるし、患者のフォローアップもしっかりとできる。今までは週1日半だけだったので、患者数にも限界があった。研修も4ヶ月目に入り、フォローアップの患者が2回、3回と僕のクリニックを訪れる機会が増えてきた。回数を重ねるとごとに患者との親近感も深まっていくことを実感する。クリニックをしていて楽しいと思えるようになってきた。これもFPプログラムの醍醐味の1つだろうと思いつつ、FPマインド育成に勤しむ毎日である。

11/14/02

今月はSurgical Outpatientだ、といっても始まるまで全く想像がつかなかった。半月が過ぎようとしているが、今までの感想は正直「サラリーマン生活とはこんな感じなんだ」ということだ。タイトルの通り、外来のみをローテーションしていくわけだが、外科外来は週に3回しか設定されていない。週に2回はFPクリニックでの実習、週に2回Surgical Labsというところで外科の手技練習がある。

外科外来では一般外科(General Surgery)の外来で患者を問診、診察した後、指導教官と一緒に戻ってくる。外科外来などは全く始めての経験だったのでいったいどのような患者が来るのかと期待を込めて出かけていった。結果は乳癌かソケイヘルニア、胆嚢摘出にかんするコサルテーションが大部分を占めていた。診察の中心は身体所見というより手術に関する説明に重点が置かれている。術後のフォローアップの患者はすさまじい速さで終る。内科外来でも退院後のフォローアップでも速い。これは日本の3分診療に引けを取らないのではないかと思っている。ここで断っておくがFPクリニックではそんなことはないと僕は信じている。

Surgical Labsは外科の手技練習専用に作られた部屋だ。外科レジデントは定期的にここで手技のトレーニングを受ける。内容は縫合からCentral Venous lineのとり方、Chest tubeの挿入、ET tubeの挿管、Sigmoidscopyの扱い方、laparoscopyの扱い方などなど、非常にバリエーションが豊富である。ここで外科レジデントたちは十分にトレーニングを積んだ後、現場で実際に挑戦するわけだ。僕は縫合の練習とSigmoidscopy(これはバーチャルシステムを利用した超ハイテクコンピューターで行う)、Centarl Venous Lineの練習をした。特にSigmoidscopyに関しては英語で言うならば、Cool !!である。

先週は5連休(ALSOコース受講のため)、今月末は4連休(感謝祭のため)が待ち受けている。こんなに楽でよいのか、と疑問に思うが、今まで3ヶ月間忙しいといわれるローテーションが続いたのでリラックスするためにはちょうど良いのかもしれない。この自由な時間を利用して僕はステップ3合格という目的にためにせっせと問題を解いている毎日である。