|Home|サイトマップ|ファミリーメディスン|外来教育通信講座|IMPACTに挑戦|CHATに挑戦|
|米国家庭医研修・見学に挑戦|家庭医コンサルタント|リンク|お問い合わせ|

家庭医・プライマリケア医のためのアメリカ・米国臨床留学への道
それは一つのとても大きな挑戦です

先月はGeriatrics ローテーションだった。Geriatricsは日本語で老年医学とか老人医学と訳されるらしい。言葉のとおり、お年寄りを診るということに重点を置いている。日本ではまったくといってよいほど発展していない分野であるが、米国での歴史はそれなりに古そうである。

主なローテーションの内容はGeriatricianと言われる専門医免許をもった指導教官の外来につき、普段より少しばかり専門的な知識を持って患者を診ていこうという感じだ。老人(定義上は75歳以上)はいろんな意味で一般成人と生理学的に違う。人間みな年をとると体にガタがきて当然のように一般成人の治療を同じように施しても反応が違ってくる。よく問題となるのは薬だ。老人になると10種類以上の薬を飲んでいることもまれではない。それらの薬の代謝作用が落ちているだけでなく、薬の相互作用も大きな問題となってくる。また、いくつかの慢性疾患を抱えているだけでなく、人間として終末期を迎えるにあたり、いかにQOLの高い医療を提供できるかなどがテーマとなってくる

SIUでは2年次、3年次を通じて月に1回ナーシングホームのラウンドがある。これもGeriatricsの一環であるが、それに加えてホスピスを1週間、Geriatricianのクリニックに週4日半、抗血栓療法専門クリニック、痴呆専門クリニック、転倒予防専門クリニックで研修する。

普段から老人をたくさん見ているが、これを専門として診ている指導教官と一緒に働くことによってさらに理解が深まり、興味も沸いた。僕個人的にもGeriatricsは好きな分野で終末期医療に特に興味を持っている。そんなこともあり、レジデント研修が終了した後にはGeriatric fellowship(老年医学専門医養成コース)に進む予定である。これは1年間で集中的にGeriatricsについて理解を深めていくコースのである。様々な専門分野をローテーションしながら老人を中心に診察し、専門医としての視点をもって学んでいくものである。

1ヶ月間だけのローテーションだったが、かなりのことを学んだと思う。これが1年間に及ぶといったいどれだけの経験をできるのか、今からとても楽しみである。具体的な研修内容は今年の8月以降研修を開始してから順次報告していくので、楽しみにしていただきたい。