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家庭医・プライマリケア医のためのアメリカ・米国臨床留学への道
それは一つのとても大きな挑戦です

2ヶ月間ほどレポートを書くのをサボってしまった、というわけではないのだが、1年目と同じ内容のローテーションをしていたので、各内容もほぼ同じことの繰り返しになってしまうので割愛させてもらった?

さて、今月はOccupational MedicineOM)という研修であった。日本語で言う産業医に相当するものだろうか。最初は内容がうまくつかむことができなかったが、クリニックに通うにつれて要領がつかめてきた。場所はMOHA,Midwest occupational health associationというOMを専門にしているクリニックである。ここには専門のドクター、ナースプラクティショナー、ナースをはじめとしてOccupational Rehabilitation Centerが併設されており、理学療法士やカイロプラクターなどもいるのが特徴的であった。

OMで診る患者は仕事によって生じたありとあらゆる種類の疾患と米国の法律で定められている定期健診をはじめとした各種定期健康診断の2タイプに大別される。前述の患者はおもに外傷、腰痛などが多く、後者では商業用ドラックドライバーや重労働者用の検診が多い。外傷は仕事作業中に起きてしまった裂傷や骨折、捻挫、打撲が大多数を占める。整形外科的な外来クリニックとでも言える。検診で感心したのは重労働者のために課せられる機能的テストと言われるもので、Occupational Rehabilitation Centerで特別に用意された実際の仕事を想定した理学的テストだ。ビール瓶のケースのようなものに重りを詰めて自分の腰の高さから頭の高さの棚へケースを移動させることができるか、どれくらい重たいものを立った姿勢で引っ張ることができるか、などが用意されている。トラックドライバーには自分の背の2倍くらいあるトラック座席から地上への乗り降りの能力、トラックの積荷をある重さの範囲で正しく、無理なく、下ろす能力があるかなど、非常にユニークなセットが用意されていた。理学療法士にきいても、OMの分野はリハビリでも特殊な分野に入るので特別なメニューを作ることが必要だということであった。

OMは1つの医療分野として確立されており、独自の視点を持っていることが研修を通じて理解できた。また、たまに自分のクリニックでもOMの患者をみる機会があるため診断、治療技術だけでなく、システム(会社が医療費はすべて払ってくれるので何でも気にすることなく必要なオーダーはできるし、休み中の保障もしてくれる、一方でそれに甘んじて仕事に戻れるのに必要以上に休もうとオーバーリアクションをとる人もいる)を理解するうえでも役に立った研修であった。