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家庭医・プライマリケア医のためのアメリカ・米国臨床留学への道
それは一つのとても大きな挑戦です

Pediatrics Inpatinet

9/28/02

アメリカで生き残るには?いつもaggressiveに?

昨日は当直明けで散々な日だった。入院が4件も入り、ろくに睡眠を取れていなくてかなり気分が悪かった。それに加えて自分の患者が緊急でLPをすることになり、自分がLPをしてもよかったのだろうが、気分が乗らずに同僚に任せて帰ることにした。LPを今まで一度も自分でしたことのない僕にとってはかなり辛い決断だった。帰る途中に忘れ物に気がつき、部屋へ戻ると別のシニアレジデントがどうして自分でLPをしないのだ、と怒られてLPの現場へ。しかし、同僚はLPをやる気満々で、自分でトライしてみたかったが、同僚のことを考えると次の言葉がでなかった。シニアレジデントにはもっと積極的に自分の意思を示さないと評価が低くつけられてしまうと忠告を受けた。常に自分の主張していくことがアメリカで生き残るためには必要なのだ、と改めて思い知った。いつもaggressiveに前に向かって進んでいかなければいけない。なんて大変な国なのだろう。

小児科で学んだこと、経験した症例

自分でH&Pをとり、入院オーダーを書いた患者はすべて氏名、入院日、疾患を記録することが必要で、研修終了時に提出することが義務付けられています。今月は18人入院させて、そのほか6,7人程度同僚の患者のケアをし(当直で入院させた次の日から退院までのケア)、トータルで24症例ほど体験し、月の仕事時間はおよそ350時間で、休暇は4日間でした。僕の病院は大学病院ですが、各専門家はそろっていながらも市中病院としての機能も有している病院だと思われます。小児科1ヶ月のローテーションで学べることはどれくらいあるのでしょうか。僕はこの一ヶ月で小児のH&Pの取り方とか、聞くポイントが微妙に大人と違うわけです、birth Hx,Developement,Immunization,Social Hx(sick person contact,any pets,livining apertment or house)などなど。小児の処方箋の出し方、それと喘息とクループの治療、小児の肺炎の抗生物質、小児の発熱の対処法、みなさん、Rochester criteriaって知っていますか。あと髄膜炎のマネージメントととか、Chemotherapyのマネージメント(urine output <200 cc/2hrs,specific gravity,1.010でIVbolus必要とか)ですかね。自分で勉強する時間も結構ありました。その代わり、採血やLPなど手技的なことは一切しませんでした。
シニアレジデントは今月はこれでもまだ患者が少ないほうだといっていました。きょう退院していった子供はベースにmarshall-smith syndromeがあり、これは世界で2例目とか3例目とかと言われる稀な疾患らしいです。
明日は休暇で小児かも残すところ後1日です。振り返って見ると思った以上に様々な症例を経験し、成長した気がします。でも、シニアレジデントとの相性はやはりいまいちでもう小児科はいいや、と思いました。FPSでもたくさん小児科の症例は経験していくわけですから。

age       Dx
14m      Lymphadenitits L chin
16        ALL maintenace chemo
2m        Fever
15        TCA intake, overdose,
8          Brain stem tumor
18        Uvulitis,Lymphadenitis
31        dehydration,SCD,neuro-devistation 2 to multi stroke
14        Sarcoma,chemo
15m      croup
16m      LLL pneumonia
18         Dizziness
6m        Hemolytic anemia
1m        Upper lobe pneumonia
3    Pneumonia
3           Abdominal pain
12m       respiratory distress
3           Fever
4           seizure,ADME

9/23/02

小児科のinpatientでは専属の指導教官が月、水、金曜日と朝9時から1時間ほどモーニングラウンドがある。そこで、受け持ちの患者の問題点についてみんなで話し合う。指導教官はDr.Lawerだ。彼女はSIU出身で莫大な医学知識を頭に抱え込んでいる。最初の頃は突っ込みばかりをしてくるので僕はとても苦手な存在だったが、いまでは彼女と議論するのが楽しく思う。今日のラウンドで彼女は「小児の場合、医療面接で90%は診断が付く」と言っていた。成人では60−70%と言われる。小児科では医療面接がいわば、鍵となってくるわけだ。今月の最も大きな収穫は彼女から学んだ「常に何で」と考えることだ。彼女は二言目にはWhy?と質問してくる。自分たちがしている医療行為一つ一つを見てみると実にどうしてそれをやっているのか、きちんと説明がつけられないことが余りに多いことに気が付いた。ただ、先輩レジデントがいつもやっているから、とか、専門医がオーダーをだすように支持したから、とか、なんとなくルーチンに血液検査をオーダーしてしまうがそこにきちんとした理由がない限り、彼女はOKをださない。日本ではルーチンの血液検査では血算、血清生化学がすべて一緒に出てくるが、こちらではすべて個別のオーダーとなっている。先週はなんとカリウムだけオーダーするという有様だった。彼女の前ではなんとなくは通用しない。だから、こちらも必死になって理由を考える。それが間違っていても一向に構わない。その場合、彼女は丁寧に間違いを指摘してくれる。彼女の性格上、結構敬遠してしまう看護師やドクターもいるみたいだが、自分の子供を小児科医に任せるなら、彼女に頼むと思った。

9/20/02


英語で夢をみる

最近、夢を英語で見るようになって来た。この現象は去年、夏に米国に3ヶ月滞在したときにも体験した。不思議と2ヶ月前後たつと夢が英語になってくる。人間の脳の不思議な部分の1つだ。夢の中では自分でいきよいよく英語で喋っているのに、実際はなかなか流暢に喋れない。頭がついていっていないのか、口がついていっていないのか、また、夢ではたくさんの語彙を使っているのに実際はなかなか出てこない。人間の脳はまったく不思議なものである。

9/13/02

今日は金曜日だが、仕事が休みであった。それを確認しないまま病院へ行き気が付いた。朝3時間だけ患者を見て、カルテを書き終えて帰ってきた。明日が当直で、日曜の午前中まで働かなければならないので今日休みを与えられたのだ。9月が始まり、2週間があっという間に過ぎた。今週は先週に比べるととても気分が良い。例の厳しく突っ込みを入れてくる指導教官の機嫌がよいせいか、僕に対して余り突っ込みを入れてこなかった。

今週から医学部3年生がメンバー交代をした。彼らは6週間小児科を回る。病棟3週間、外来3週間だ。当然、英語では彼らに勝てないが医学知識やカルテの書き方、問診の聞き方などは最近教えられる気がしてきた。彼らは病棟実習が始まってまだ2ヶ月ほどしか経っていない。中には、今週初めてカルテを書いた、という学生もいた。まったく書き方を知らなかったようだ。書き途中でどこかへ呼ばれていってしまい、自分のサインもせずにいってしまった。僕が書こうとしたときにはそれを見つけ、余りにもひどいノートだったので(字が汚い、サインがない)指導教官か、とみんなで言っていた。(それにしては内容がめちゃくちゃ)そしたら担当の学生だったらしい。他にも学生でカルテに記載中に途中でラウンドの時間が来てしまい、書き途中で来る学生がいるが、これは非常に良くないことだ。一度書き始めたら終えるまでは、サインをするまでは書き続けなければいけない。僕も去年初めて実習でカルテを書いたときに同じ過ちを犯し、レジデントに注意された。今は僕がレジデントとして学生を教育するばんらしい。僕はレジデントといってもこちらの学生と同じような気分で研修を始めたつもりだったが、少し成長したようだ。毎日、学生のカルテについてもできるだけフィードバックをしてあげようと思い、時間のある限り読むようにしている。1週間も経つと結構打ち解けて冗談も言い合えるようになる。学生も僕にもたくさん質問してきてくれて頼りにしてもらっていることを感じるとうれしい気分になる。

9/8/02

今月から小児科が始まった。小児科でもローテーションする場所はgeneral floorだ。クリニックは月に2度FPクリニックがある以外はない。最初の1週間を過ごして感じたのはFPSと違い、かなり厳しく指導教官やシニアレジデントから扱われている、といったところだろうか。医学知識もさることながら、英会話の問題もあり、毎日かなり苦戦させられている。

小児科は実に20名以上ほどの指導教官がいる。開業している小児科医がほとんどで入院が必要になった患者をレジデントがケアするという形だ。実習場所はSt.John’s Hpのみなので移動が楽でうれしい。このHpは小児科と産婦人科で専門の建物を持っていて、大抵の小児はここへ入院してくる。フロアーも重傷度に応じてGeneral status, Intermediate care status, Pediatric intensive care statusと分かれている。それとは別にNICUもあるが、これはまったく別のチームが担当している。FPの2年目にはNICUのローテーションが必修になっている。

今月は人数の関係でPICU専門のレジデントがいないのでわれわれでPICUもカバーしなくてはいけない。PICUにはPediatrics critical care Specialist, Dr.Fisherがいる。毎日朝10時からのAttending roundsは非常に勉強になる。僕は病棟に慣れていないという理由でPICUの患者は持っていない。個人的にはFPなのだからあまり持たなくてもいいかな、と思っている。それくらいPICUの患者は1人を管理するのに大変なのだ。当直で1人だけPICUに入院させたが、一苦労だった。他にSpecialistとしてinfecutious diseaseGastrointestinalHemo/Oncologyなどの専門家をよく見かける。小児科でも内科と同じように専門分野が細かく分かれているようである。

そして、FPSともっとも違うのは医学部3年生、4年生がクラークシップ、サブインターンとして参加していることだ。チーム構成はシニアレジデント2名、インターン2名、サブインターン(4年生)4名、クラークシップ6名という大所帯だ。僕はインターンとして3年生を指導しなければならない立場にいるが、今週は学生から教えてもらうことがほとんどであった。たまに情けなく感じることもあるが、彼らの方が年上だったり、よく勉強していたり、英語をよく知っていたりと、まあ仕方ないかなあと思った。